恐怖と対峙する方法

「起業家として成功すれば、ごく少数の人しか知ることのない『自由』がどんなものか分かってくる。それは単にお金がたくさんあるとか、自由な時間がたくさんあるとかいうことではない。恐怖そのもに対する恐怖から解放されることだ。」

「安全という言葉の影には恐怖が隠されている。たいていの人が『いい教育を受けろ』と言うのはこのためだ。勉強や学問に対する愛情からそう言っているんんじゃない。恐怖が言わせているんだ。つまり、いい仕事に就けなくなるとか、充分なお金が稼げないといったことに対する恐怖から言っている。学校で先生がどんなふうにして学生にやる気を起こさせるか、考えてごらん。先生は恐怖を鞭の代わりに使う。『勉強しなかったら落第するぞ』と学生に言う、つまり、落第する恐怖を使って勉強する意欲を起こさせるようとする。学校を卒業し仕事に就いたあとも、きみを後ろから押すのは恐怖だ。口に出して言うか言わないかは別として、雇い主は『仕事をきちんとしなければ首にするぞ』と従業員に吹き込む。従業員は、首になって家族が食べられなくなったら、あるいはローンが返済できなくなったら…という恐怖からせっせと働く。人が安全を強く求めるのは恐怖があるからだ。安全を求めることが問題なのは、それでは恐怖は解消されないからだ。安全は恐怖にふたをするだけで、恐怖は依然として存在する。ベッドの下に隠れてクスクスと笑っているいたずら好きなお化けのようにね。」

「今言ったように、安全のために勉強することが問題なのは、それで恐怖がなくなるわけではないからだ。恐怖がそこにある限り、安全だと感じるのはむずかしい。だからさらに保険を買い、自分自身を守る方法をいろいろと考える。たとえ自分は成功している、何も心配がないとうふりをしていても、心の奥底では不安なんだ。安全を求める生き方で最悪なのは、多くの場合、二つの人生を生きることになる点だ。つまり、一つは実際に生きている人生。そしてもう一つは、別の選択をすればそんなふうに生きることが可能だとわかっている、『生きそこなった』人生だ。安全のために勉強することに伴う問題をいくつか今挙げたけれど、中でも最大の問題は、それでも恐怖がそこにあるということだ。」

「怖いものが何もないなんて思うのは愚か者だけだ。恐怖はいつも存在する。何も恐くないという人は、現実をみていない人だ。私が今言ったのは『恐怖に対する恐怖から自由になる』ということだ。つまり、恐怖を恐れる必要がなくなる、恐怖の囚人ではなくなる、恐怖に人生を支配させない…ということだ。多くの人の場合は恐怖に人生を支配されているが、起業家は恐怖を恐れず正面から立ち向かい、それを自分のプラスになるように使う方法を学ぶ。真の起業家になれば、ビジネスがうまくいかなくてお金がなくなったからとか、毎月の請求の支払ができなくなったからとかいった理由でやめたりせず、先に進む勇気や、はっきり物事を考えたり、学んだり、読んだり、それまで知らなかった人と話をしたり、新しいアイディアや行動を思いついたりする力が持てるようになる。自由を求める気持ちはきみに勇気を与えてくれる。つまり、安定した仕事や給料を必要とせずに何年も頑張る勇気だ。私が言っているのはそういう種類の自由、恐怖に対する恐怖からの自由だ。私たちは誰でも恐怖を持っている。違うのは、その恐怖に引きずられて安全を求めるか、それとも自由を求めるかだ。そこで従業員は安全を求め、起業家は自由を求める。」

「勇気(courage)という言葉はフランス語の心(coeur)という言葉から来ている。」

「起業家になる道を選ぶか、従業員になる道を選ぶか、その答えはきみの心の中にある。」

ロバート・キヨサキさんの本の抜粋で、常に自分に言い聞かすために以前から携帯のメモにいれてある。皆様に共有おば!